龍潜寺の由来

境内・本堂・開山堂

龍潜寺は、慶長11年(1606)5月に、千葉県は現在の鴨川市に創建されました。
当時、千葉県安房郡一帯を治めていた里見家9代のお殿様、里見義康公(龍潜院殿傑山芳英大居士)を供養するためのものです。
里見家っていえば滝沢馬琴の南総里見八犬伝で有名ですよね。お寺を創られたのは、小湊誕生寺18代、可観院日延上人です。
誕生寺とは、日蓮宗の宗祖、日蓮聖人の生まれたお家を、お寺にした由緒あるお寺です。残念な事に龍潜寺は、慶応2年(1866)10月、近隣より出火した火事により建物すべて焼失してしまいます。
再建のめどもたたず廃寺寸前 にありましたところ、当時、誕生寺の58代の住職でした、八幡出身の山本日諦上人が、自分の生まれ故郷に、日蓮宗のお寺がないとお考えになったのか、明治11年(1878)現在地に移転、再建されました。
そんなわけで、年配の方は、龍潜寺と呼ばずに、お寺を再建した、山本日諦上人に、ちなんで、「にったいさん」と呼ぶようになりました。
以来130年、現在の境内地の広さは約7500坪。ほとんどの建物が、日諦上人時代に完成したもので、都心の中にあって、静寂なるたたずまいは、詣でる人に、宗教的感動を与えてくれます 。