新型コロナウイルスの感染が止まりません。恐れていた第2波の到来かと、みんな不安に駈られています。夏には、気温や湿度も上がり、太陽からの紫外線も増え、感染は収まるのではないかとの説が、マスコミで報道され、私たちも希望を持っていました。でも実際は、今は重篤の方は少ないとはいえ、第1波を超える多くの方が感染しています。みんな心の中では、自分も、いつ感染するかわからないとのストレスにさらされながら、毎日を過ごしているのではないでしょうか。世界ではワクチン・治療薬の開発が急ピッチ。でも、完成しても、世界中の人たちに行き渡るには、長い時間がかかりそうです。しばらくは、自分自身で注意しながら防いでいくしかないという事でしょう。

 

 そんな中、8月に入り、お寺では、国民的行事であるお盆を迎えます。お寺によっては、このご時世、今年は、お盆のお参りを中止されるところもあるとか。私のお寺でも不安を訴える檀家さんもいらっしゃいます。世間では、安全の見地から、甲子園も中止、夏祭りも中止と、多くの行事が中止に追い込まれています。若者たちの夢や、エネルギー発散の場所をコロナは奪ってしまいました。ここに来て、私たちも生活のスタイルを見つめ直さなければならない時が来たのかもしれません。でも変えてはならない、守っていかなければならない大切な事もあるのです。それは、「先祖や、縁ある人を敬い感謝する心と、祈る心です。」お盆は、ご先祖様に感謝し、自分の生き方を反省し、世界の平和、安穏を祈る大切な行事です。私の寺も、春からの行事は、世間で言う、無観客で開催して参りましたが、今回は悩み抜いた末、お盆の行事を皆様と一緒に勤めようと決断しました。もちろん最大限の対策に努めての開催です。結果、1人ひとりの願いが、きっと・必ず仏様に届くと思っています。

 

 最後に、梅雨もようやく明け、本格的な夏の到来です。季節は世の中の出来事に関係なく訪れます。そこで、先人の季節にちなんだ言葉をご紹介して、コラムを閉じたいと思います。

 

「人間の心にも四つの季節があります。人に接するときは、春のような温かい心。仕事をするときは、夏のようなあつい心。考えるときは、秋のようなすんだ心。自分を見つめるときは、冬のような厳しい心。」

 

こうした状況だからこそ、自身の心を磨く時間にしてはいかがでしょうか。コロナに負けずに頑張りましょう。

 

合掌