失敗は、するよりも、しない方がいいことは、誰もが願っていることでしょう。だけど、失敗することの方が多いのが人生ではないでしょうか。

 

 もし、あなたが、今、失敗をして、落ち込んでいるとしても、「これで終わりだ」とは、あきらめないで下さい。ことわざにも、「失敗は成功の元」とあるように、積み重ねた失敗が、いつかは訪れるであろう成功の大いなるエネルギー源ともなるのですから。そこで、たまたま耳にした元ニッポン放送のアナウンサーだった村上正行さんの話を、お伝えしたいと思います。

 

 アナウンサーといえば、放送の世界では、もっとも花形と思われる仕事の一つでしょう。

 

 「だから、ニッポン放送にも、毎年のことですが、多くのアナウンサー志望の若者が殺到します。その審査は、まずは書類選考から始まりますが、次は筆記試験です。そうやって大半の応募者がふるいにかけられ、残った人は、ごく僅かな人数になります。そして、やって来る最終選考。正直に申し上げれば、残った人は誰が採用されても、おかしくないというところまで来ているのです。言葉を変えるなら、後は運次第といってもいいのかもしれません」と村上さんは話しました。

 

 私は、この話を聞きながら、「そうだろう、そうだろう」と肯いていたのですが、「だけど、そうではないんです。」という村上さんの言葉に、「おや?」と耳を傾けました。

 

 「実は、最終選考で一番ポイントになるのは、応募者の失敗した時の様子なんです。原稿を読んでもらったり、いろんな質問をしたりするのですが、誰にでも、読み損なったり、答え間違ったりすることはありますよね。選考する側からすれば、そんな状況は、最初から織り込み済みです。そんな事よりも、私達が注目しているのは、その時、応募者が、どう立ち直るかということなんです。分かりやすくいえば、失敗して落ち込むようでは失格なんです。失敗しても、明るく立ち直れる人、それこそ採用されるか否かの分岐点だといってもいいでしょう」という村上さんの話に、私は「ナルホドな」と納得させられました。

 

 それというのは、お釈迦さまのお説教にも、「過去を反省するということは、これからの人生を、どう生きればいいかという願いの元にあるのだ」とあるからです。

 

 私にいわせてもらうなら、アナウンサーの試験に、たとえ不合格になろうとも、それをありのままに受け止め、前向きに受け止めれば、必ずその人の人生は開ける。これこそが仏さまが私たちに送って下さっているメッセージではないだろうかという気がしているからなのです。